57歳女 あなたの本当の気持ちが分からなくて、ごめんなさい

私は、介護付有料老人ホームに勤めている介護士です。

 

50歳でホームヘルパー2級の資格を取り、常勤として入職して、54歳で介護福祉士の資格を取りました。

 

今、入職して8年目です。

 

入居者様には色々な人がいます。

 

亡くなった人が退去すると、また新たな人が入居してきます。

 

認知症の人ばかりではありません。

 

中には知的障害者の方もいます。

 

Mさんは女性で、76歳くらいで入居され、7年程ホームで暮らしていました。

 

何かにつけてこだわりの強い方で、食堂に来たらいつもの決まった席でないとイヤ、服も、このズボンや靴下がいいとなったら、それが見つかるまで着替えない、頭の柔軟性がないのです。

 

「ないのなら違う服でいいや」とはならないのです。

 

老人ホームに入る前は、障害者対応の施設にいたのですが、その時に日課としてやっていたのが、広告ちぎり。

 

新聞の折込広告を端からビリビリとちぎっていくのです。

 

それを老人ホームに来てからも毎日やっていました。

 

まるで紙吹雪を作る内職のように、朝食後から夜居室へ戻るまで、一日中ちぎっていました。

 

職員の中には、広告が無くならないように、家の広告を時々もってきて補充する人もいました。

 

気難しい性格で、滅多に人をほめたりしません。

 

しょっちゅうブツブツ不平不満を言っていました。

 

が、何気に可愛らしい面もあったので、職員の中にはMさんを気に入っている人も少しはいました。

 

私はMさんが入居して半年程してから入職したのですが、最初の頃は少し距離をおいて、失礼のないよう対応していました。

 

職員としては当たり前ですが。

 

しかし数年経つうちに、相手の気性や性格などが段々と分かってくるようになり、長年の関わりでこちらの態度も打ち解けたものに変化していくのは仕方のないことだと思います。

 

悪く言えば馴れ合い、かもしれません。

 

最初の、失礼のないような対応ではなく、Mさんの頑固さに対して、イライラを表してしまったり、幼い子供のような態度をとるMさんに、まさに子供に対するような対応をしてしまったり。

 

Mさんが体調を崩して入院していた時は、申し訳ないのですが、心安らかな日々でした。

 

介護という仕事は、介助をして感謝されやりがいを感じる反面、精神的にとてもストレスを受けてしまう仕事です。

 

利用者様の中には癖の強い方がいたり、職員の言うことを聞かずに我を通す方も沢山います。

 

仕事だから…と利用者様とあまり親しくしないというのも一つの方法ですが、それでは信頼関係がなかなか築けません。

 

適度な距離をあけるというのが難しいところです。

 

Mさんは大腸にガンが見つかり、診断されてから半年程で亡くなりました。

 

気に入らない事があると、歩いている途中廊下の真ん中で立ち止まりテコでも動こうとしなかったこともあったMさん。

 

寝たきりになり、排泄介助をすると「痛いよぅ、痛いよぅ」と小さい声で訴えていた様子を思いだすと、「病気じゃない最期を迎えさせてあげたかったな」と思います。

 

介護士をしていても、していなくても、ついつい感情的になってしまうものです。

 

感情豊かなのはいい事だと思いますが、対人関係の中では、感情的になることにあまりメリットはないと思います。

 

自分の精神バランスを守る為にもなるべく物事を客観的に見て、イライラしたり腹を立てたりせず、小さなことでも、笑える事、楽しい事を見つけて、介護という仕事を続けて行けたら、と思います。

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